2013年7月25日木曜日

後輩の退職で感じたこと

今春入社した車イスの後輩の高橋幸太くんが今回退職となりました。

今年の春、当社(株式会社日本コンピュータ開発)が取り組んでいる社会貢献活動の一つである「身体障害者職場開発」を推進していくために、上司と相談した結果、ソーシャルメディアを使って営業活動をし、私が責任を持って、彼の分まで仕事を取ってくるということで、高橋くんの採用が決まりました。

ところが、実際に一緒に仕事をしていく中で、自分たちのスキルのなさに気付きました。報連相が少ない、品質が悪い、同じ失敗を繰り返すなど、仕事の仕方がなっていなかったので、他の新人と同様、毎日のように仕事の仕方を指導されました。
それこそ目標にしていた「自立した社員」など言葉にするのも恥ずかしいレベルです。

今回の指導について、私はそんなに厳しいとは思わなかったのですが、聴覚障害のある高橋くんはあまり今まで仕事の仕方について細かく指導された経験がなかったのか、精神的につらくなってしまったようです。また、文章でしか会話が出来ないということもあり、一つ一つの言葉がきつく聞こえてしまったのかもしれません。

(聴覚障害を持つ彼にとって、「どうやって他人と円滑にコミュニケーションを取るか?」というのは重要な課題だと思うので、そこは自分で考えて、何とか工夫しないといけなかったところだと思いますが…。)

毎日のように仕事の仕方について指導され、なかなか成果を出せず、不安だけが募るばかりだという高橋くんに対して、「やってしまったことや過去のことはもうどうすることも出来ないから、感情的にならずに、これからどうしていけばいいか、成果にフォーカスして前向きに考えよう」と何回かアドバイスしたのですが、高橋くんは前向きに考えることが難しかったようです。

本人の性格なども含め、他にもさまざまな要因が考えられますが、高橋くんにとって「自立した社員」というのは目標が高すぎて、どうすればいいか分からなくなってしまったのかなと思いました。

今回のことで、自分を含め、やっぱり障害者だから甘いのかと考えさせられました。
障害者だから甘いとしたら、それは環境のせいなのか、親のせいなのか、自分自身の問題なのかといろいろ考えてみましたが、それが何のせいにしろ、それに乗っかってしまっている障害者はやっぱり甘いということだと思いました。でも一概には決して言えません。障害者だって十人十色です。

色々考えると、障害者はやっぱりいろんなものから守られています。それが悪いという話ではありません。守られなければ生きていけない人達もいっぱいいると思います。
逆に障害者は守られていると思われることが偏見だと思うときもあります。

でも私は、障害者だから弱いとか甘いとか、思われることがどうしても我慢ができません。
とても悔しく思います。
今回のことで、会社の同僚に障害者だから甘いと思われてしまったかも知れませんが、私は「絶対、見返してやる」と思いました。
今回、私の気持ちをまた奮い立たせてもらったので、いい経験になったと思います。

私も今は、自立した社員となるまでは険しい道のりですが、まず自分のスキルアップの目標を達成していこうと思います。